顔面神経麻痺の鍼灸治療が受けられます

顔面神経麻痺の鍼灸治療が受けられます

顔面神経麻痺とは?

最近ではジャスティン・ビーバーが発症したことで話題になった「顔面神経麻痺」。脳の神経の1つである顔面神経が何らかの原因で麻痺してしまい、顔を動かす筋肉や味覚・聴覚などに異常ができてしまう病態のことです。

悠然堂では顔面神経麻痺の鍼灸治療を受けることができます。※顔面神経麻痺の治療数が多い東京大学付属病院鍼灸部門の研修生をしているスタッフが在籍しています。

顔面神経とは?

脳から出る神経の1つ(脳から出る神経は全部で12本)で、主に笑ったり、怒ったりと顔の表情を作る筋肉を動かす働きがあります。他にも味覚の一部や唾液をだしたり、耳で聞き取る音の大きさを調整したりする働きもあります。

顔面神経の役割

ある日突然こんなことがありませんか?

  • 目が閉じにくい
  • 食事中に口から食べ物や飲み物をこぼしてしまう
  • 左右で顔の動きが違う
  • 眉毛があげられない
  • 顔が曲がってきた顔面神経麻痺とは

顔面神経麻痺になってしまったらどうしたらよい?

顔面神経麻痺になったら、一度耳鼻科を受診して、診断を受けてから当院へご来院下さい。

※額のシワ寄せだけできたり、顔の異常以外に半身が動かしづらい、言葉がしゃべりにくいなどの症状がある場合は「脳」に異常がある可能性が高いので、「耳鼻科」や「神経内科」等の病院への受診をおすすめします。

どうして顔面神経麻痺になってしまうの?

顔面神経麻痺は主に2種類で、脳に異常がある中枢性麻痺と、脳から顔周りに出てくるまでの道のりに異常がある末梢性麻痺があります。脳と顔面神経
※顔面神経は脳から顔周りにいくまでに、1本の長い神経が通っているわけではなく、途中でもう1本の顔面神経にバトンタッチをします。

中枢性麻痺

◆脳に異常がある
脳出血や脳梗塞などの脳血管障害や脳腫瘍などが原因で麻痺になります。

末梢性麻痺

◆脳に異常はないが、脳から顔周りに出てくるまでの道のりで異常がある
外傷によるものや、糖尿病などの全身性疾患など様々な原因がありますが、ウイルスが神経に感染してしまうことが原因の「ベル麻痺」「ハント症候群」と診断される人がほとんどです。

◆ベル麻痺
原因不明と言われていましたが、単純ヘルペスウイルスI型に感染していることが原因ではないかと言われています。
◆ハント症候群
帯状疱疹ウイルスに感染して、顔面神経に麻痺がでます。
※ヘルペスウイルスも帯状疱疹ウイルスも常に体に存在していますが、免疫が下がった時に感染してしまいます。

脳が原因の中枢性よりも脳以外が原因の末梢性の顔面神経麻痺の方が多く、中でも多くの人がベル麻痺かハント症候群と診断されます。このベル麻痺とハント症候群は鍼灸が適応となります。

鏡を見る女性
施術

顔面神経麻痺の後遺症の検査

顔面神経麻痺は神経の傷の深さによって軽傷~重症に分けられます。顔面神経の構造
※顔面神経はバームクーヘンのようなつくりになっています。

顔面神経の構造

顔面神経の傷が深いほど後遺症が残ってしまいます。病院で検査をすると、だいたいどのくらいの傷の深さなのかの目安がつけられます。

主な検査方法
◆Enog検査(病院で行われます)
◆NET検査(病院で行われます)
◆柳原法(鍼灸院で行うことができます)

 

ENoG(誘発筋電図検査)

お顔に電気を流し、麻痺のない側と比較して、麻痺のある側の神経がどの程度傷ついているかを測る検査です。

ENoG(誘発筋電図検査)

柳原法(表情筋スコアリング)

10個の表情を患者さんに作ってもらい、表情が正しく作れているか40点満点で点数をつける方法です。悠然堂でもこの検査を行います。

柳原法

評価項目 ほぼ正常 部分麻痺 高度麻痺
1.安静時対称 4 2 0
2.額のしわよせ 4 2 0
3.軽い閉眼 4 2 0
4.強い閉眼 4 2 0
5.片目つぶり 4 2 0
6.鼻翼を動かす 4 2 0
7.頬を膨らます 4 2 0
8.イーと歯を見せる 4 2 0
9.口笛 4 2 0
10.口をへの字にまげる 4 2

0

4点:左右差がない(ほぼ正常)
2点:明らかに左右差があるが、患側の筋収縮が見られる(部分麻痺)
0点:収縮が全く見られない(高度麻痺)

◆後遺症が残る可能性が大きい
柳原法10点未満、Enog40%未満
◆後遺症が残る可能性が少ない
柳原法18点以上、Enog40%以上

※あくまで目安なので、完全に上記に当てはまるわけではありません。
※検査は発症して10~14日の間に行うのが適格とされています。
※検査をしていない方でも、発症から1ヶ月以上たっても顔の動きにあまり変化がない場合は、後遺症が残ってしまう可能性があると思っていただいてよいかと思われます。

顔面神経麻痺の後遺症

主な後遺症
  • 顔のつっぱり感・けいれん
  • 目を動かしているつもりなのに、口も一緒に動いてしまう(病的共同運動)
  • ご飯を食べている時に勝手に涙がこぼれてしまう(ワニの涙)
  • 顔のゆがみ(ほうれい線が片方だけ濃い・片目だけ小さく見える・おでこが下がっているなど)

後遺症は発症から4ヶ月目以降にでる可能性が高いと言われています。後遺症がでる前、または出てしまってから何もケアをしていないと後遺症を悪化させてしまいます。

ケアは早いほど効果が出やすいとされています。顔面神経麻痺になって1ヶ月以上顔の動きに変化がないのあであれば後遺症のリスクが高いため、早期からケアをしていくことがとても大切になります。

なぜ後遺症になってしまうの?

◆神経が元通りにならなかったから
◆もとに戻ったが、正しい位置に戻らなかったから
後遺症が残る場合の例

顔面神経麻痺に鍼灸は何ができる?

鍼灸は後遺症の予防と軽減が期待できます。後遺症でよくあらわれる顔のつっぱり感拘縮を和らげることができます。

傷ついた神経を元に戻すことはできませんが、髄鞘や軸索が傷ついていても神経内膜まで傷ついていなければ、ご自身の身体の働きによって自然に神経を元の状態へ戻すことができます。

後遺症のケアってどんなことをするの?
  • 鍼灸
  • マッサージ
  • リハビリ(顔の動かし方を訓練します)
  • 温める

ケアで最も大切なのは正しい方法でマッサージをご自身で行えるようになることです。悠然堂では鍼灸に加えて、正しいセルフケアの指導・リハビリも同時に行います。

顔面神経麻痺のこれまでの施術例

実際のこれまでの顔面神経麻痺の施術の例をご紹介しています。

◆40代女性の施術例
「3ヶ月前に左側の顔が動かなくなりました。耳鼻科で顔面神経麻痺と診断されて、薬を処方されました。左目を閉じることができません。眉も動かず、食べた物が横からこぼれてしまいます。また、日常の音が大きく響いて感じたり、口の中がしびれたような感じがしたり、味を感じないなど…」
→続きを読む

施術例はこちら

顔面神経麻痺の施術の流れ

後遺症の軽減・予防には早期からの正しいセルフケアがもっとも効果的です。当院では早期からのセルフケアの指導・マッサージや温熱療法も一緒に行います。

問診
(セルフケアの確認や顔の動き・後遺症の確認)

ホットタオルで顔を温めます

顔・体に鍼を刺します

顔のマッサージ

セルフケア指導

リハビリ
(顔の運動の訓練※やれる方やれる時期が限定されます)

マッサージ
鍼灸イメージ

顔面神経麻痺の通院の目安

初めはセルフケアを行えるようになるまでは、週1回のペースをおすすめしています。その後セルフケアをご自身で毎日行えるようになってきたら、2~4週間に1回のペースで施術をします。症状や経過にもよりますが、1年間継続することを推奨しています。顔面神経麻痺の通院の目安

発症から数ヶ月~数年たっていても後遺症を軽減させるのに鍼灸治療やセルフケアは有効です。発症してすぐの方も、時間が経過してしまっている方も、まずはご相談ください。

~なぜ1年か?~
個人差はありますが、発症して約1年で神経の回復が終わります。回復が終わるまではケアを続けることがおすすめです。
※発症して1年経過している場合もご自身でセルフケアが行えるようになるまでは同じ頻度で通っていただくことをおすすめしています。

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